私は、名前や肩書きなどを覚えるのが苦手である。人と関わる機会が多いため、日々多くの方と挨拶を交わすが、一度で名前を覚えるのは難しく、毎回苦労している。そこで意識しているのが、話しかける際に「すみません」ではなく、その方の名前を呼ぶようにすることだ。名前を声に出すことで、自分の脳に強い印象を与え、比較的早く覚えることができる。また、相手にとっても「自分に話しかけられている」と明確に伝わるだけでなく、「名前を覚えようとしてくれている」と感じられるため、好印象につながる。一方で、名前ではなく「事務の方」や「若い方」など、個人を特定しない呼ばれ方をされると、距離を感じたり、あまり関心を持たれていないように思えてしまう。そうした印象を初対面で与えてしまうと、お互いにとって損失となりかねない。相手を一人の人として認識し、関心を持つことで名前も覚えやすくなり、結果としてお互いに良い印象を与え合える。名前を呼ぶという小さな行動が、円滑で心地よい人間関係の第一歩となるのではないだろうか。