IPAから「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について」のお知らせが掲載された。CBT方式は、受験者が試験会場に赴き、用意されたパソコン画面で問題を読み、キーボードとマウスを用いて解答する。令和8年度(2026年度)の試験から移行する予定とのことだ。CBT方式における私が考えるメリットは3点である。1つ目は午後試験の記述式・論文で、文章の挿入や削除、構成の入れ替えが容易に行えることである。2つ目は漢字の書き取りによる減点リスクが軽減されること。キーボード入力で変換機能を活用できるため、漢字の正確さを気にせず解答できる。3つ目は、設定された期間の中で自分の都合に合った日時と会場を選んで受験できることである。これにより、仕事やプライベートの予定との調整が容易になり、受験のハードルが大きく下がる。一方で、デメリットもある。紙の試験では問題用紙の余白に図やキーワードを自由に書き込めたが、CBTではこれができず、情報整理がしにくい。また、複数ページにわたる長文問題では、紙の冊子であれば全体像を素早く把握したり関連箇所を簡単に見比べたりできたが、CBT方式ではマウスのスクロールやクリック操作で行う必要があり、紙媒体に比べわずらわしさを感じる可能性がある。さらに、公表されている情報は今後変更される可能性がある点にも注意が必要である。来年以降に受験を予定している方は、最新情報を確認し、自分にとってのメリット・デメリットを把握しておくことが望ましいだろう。