私たち日本人は、日常の中で「すみません」や「申し訳ありません」という言葉をよく使う。たとえば、電車でぶつかってしまったとき、席を譲ってもらったとき、ちょっとしたお願いをするときなど、つい反射的に「すみません」と口にする人も多いのではないだろうか。もちろん、相手への配慮や謙虚さを表す日本の“謝る文化”はとても素晴らしい。ただ一方で、あまりにも日常的に使いすぎると、本来責任をもって伝えるべき謝罪の言葉が軽く聞こえてしまうこともあるのではないかと感じる。また、「すみません」で済ませてしまう場面の中には、本来「ありがとう」で伝えるべき瞬間も少なくない。忙しい中で資料を作っていただいたときや、業務で指導を受けたときなど、つい「すみません」と言ってしまいがちだが、「ありがとうございます」と言い換えるだけで、相手に伝わる印象は大きく変わる。「すみません」は自分を下げて相手に配慮する言葉。一方、「ありがとう」は相手を尊重し、感謝の気持ちを伝える言葉だ。同じ一言でも、その先に生まれる関係性はまったく異なる。「すみません」を「ありがとう」に変える。そんな小さな意識の変化が、人との関係をより温かくしてくれるのではないか。私も今日から、感謝の言葉を大切にしていきたい。