私はコンサルタントという仕事柄、お客様の工場にお伺いする機会が多い。あるお客様では、すれ違う社員の方々が必ず笑顔で大きな声の「ご安全に!」と、きちんと挨拶をしてくれる。さらに場内の横断歩道などを渡る際には「右ヨシ、左ヨシ、右ヨシ」と大きな声で指差喚呼を徹底しており、ほとんど車が通らない場所で、周囲に人がいない状況でも、一人で必ず実施していた。一方、別の会社では、同様に指差喚呼が決まりになっているが、周囲に人がいないと実施されないことがあり、挨拶もボソボソと聞こえづらく、本来禁止されているはずの「ながらスマホ」で場内を歩く姿も散見された。この2社の大きな違いは「やらされている感」で行うか「一人ひとりが目的を理解し、自発的に行動している」かの差である。重要なのは「ルールだからやれ」と命令することではなく「何のためにやるのか」という目的や意図を社員に認識させ続けることであり、それが安全文化の醸成にも大きく影響する。当社では来客を迎える際に社員が立ち上がって「いらっしゃいませ」と挨拶をするが「やらされている感が強く、いやいや席を立って迎える」のか「明るく笑顔で迎える」のかで印象は大きく異なる。訪問した人は前者では「ここの社員は大変だな」と感じ、後者では「良い文化の会社だな」と評価するだろう。ぜひもう一度、普段行っている活動の「目的」を振り返り、意図する成果が得られているかを確認してほしい。