ユニバース25という言葉をご存じだろうか。これは、アメリカの動物行動学者ジョン・B・カルフーンが行った実験である。この実験は、ネズミに食料や水、外敵のない理想的な環境を与えたにもかかわらず、最終的に社会性が崩れ、個体群が絶滅に至ったことで知られている。はじめは4組8匹のネズミが安定して生活し、繁殖も順調に進んだ。やがて個体数は大きく増えたが、その後は秩序が乱れ、社会構造に亀裂が生じた。最終的には繁殖が止まり、個体数は減少し続けた。この実験が示しているのは、物理的な資源が十分にあっても、社会的・心理的な要因によってコミュニティが崩壊する可能性があるということだ。この結果から、単にストレスの少ない環境を整えるだけでは、健全な社会は成り立たないと感じる。人は社会の中で役割を持ち、周囲と関わりながら生きていく必要がある。役割を見失えば、孤立し、生きる目的も見えにくくなってしまうかもしれない。AIと共に生きる今の時代だからこそ、この実験から学べることは多い。私たちも同じ道をたどらないよう、環境づくりと心のケアを大切にしながら、これからを着実に生きていきたい。