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3分間スピーチ

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当たり前とは

Y・Kさん(♀)

「当たり前のことをやる」という言葉をよく聞く。よく聞くし、自分自身もよく使う言葉だ。例えば「ありがとう」や「ごめんなさい」といった日常的な言葉。毎日使っているデスクやパソコン。家族やパートナーがいる方であれば、毎日の食事や家事をしてくれていることも、いつしか当たり前になっているかもしれない。私たちの身の回りには、さまざまな「当たり前」がある。ただ「一般」や「常識」が人によって違うように「当たり前」も人それぞれ異なることがある。私が属している芸人の世界には、一般的な意味での「当たり前」がほとんどないように感じる。芸において常識的であることはつまらないし、型にはまることはもっとつまらない。少しずれていたり、奇想天外なことをしたりする方が面白く、魅力的な世界だからだ。とはいえ「技術の前に人ありき」と会社が掲げているように、芸人の世界でも人としての部分は非常に大切である。スタッフや仲間への挨拶、楽屋を出る時には来た時よりきれいにするなど、人としての基本ができなければ生き残っていけない世界だ。人気商売であるからこそ、もしかすると会社以上に厳しく人間性を見られる世界かもしれない。毎日3分間スピーチの担当者が原稿を送り、それを校閲する担当者がいるとする。メールで原稿を受け取ると、冒頭や最後に「よろしくお願いいたします」という一言がない人がいる。きっとその人にとっては「原稿を送る」ということだけが目的になっているのだろう。一方で、人として評価される人は、その原稿を受け取った先で誰がどのような作業をするのかまで考えることができる。だからこそ「よろしくお願いいたします」や「いつもありがとうございます」といった言葉を自然に添えることができるのではないだろうか。こうしたちょっとしたところに人としての差が出る。そして、自分にとっての「当たり前」だけではなく、相手にとっての「当たり前」にも気づくことが大切なのだと思う。「当たり前」に気づけないこともある。しかし、自分一人で生きているわけではないという実感を持ち続けながら、これからも生きていきたい。