「出藍(しゅつらん)の誉れ」ということわざをご存じだろうか。意味としては弟子が師よりも優れていることを指す。青色の染料は藍草から取るものだが、その藍草で染めた布は藍草よりも鮮やかな青色となる。その関係を弟子と師匠にあてはめ、弟子が師匠の学識や技術を越えるという意味で使われる。弟子は師匠を目標にして技術や行動を見て真似をするが、師匠を越えるということは難しいことから生まれたことわざである。「師匠」を上司や先輩に置き換えて考えてみて欲しい。後輩は諸先輩方を真似するのであり、先輩方は格好良い背中を見せられるよう、日々意識していただきたいものだ。私自身が新人だった頃、不慣れな業務に緊張してばかりで気疲れしていた。気を抜くところは気を抜かないと体がもたない。急がず休まず、バランスを大切にして、様々なことにチャレンジしていただきたい。「なんとかうまいことこなそう」という姿勢の方もいるかも知れないが、つまずいたことから学ぶことは非常に大きく後の自身の力となる。一生懸命、失敗を恐れず取り組んだ先に、師匠を越えるきっかけを見つけられるのではないだろうか。