人間は五感の中で、香りを感じる嗅覚だけが脳にほぼ直接的に信号を送ることができるそうだ。脳の中でも海馬という部位に働きかけるのだが、海馬は記憶の保管庫のような役割を持っており、香りを感じると同時にその時に感じた喜怒哀楽や好き嫌いの感情までもが呼び起こされるという仕組みがある。この嗅覚と脳の関係性を利用して、近年では認知症やアルツハイマー病の予防が期待されているそうだ。病気の症状の一つにイライラするというものもあるが、患者に香りを染み込ませたシールを胸元に貼って過ごしてもらうことで1日5~6回怒っていた人が1日1回程度に減った事例もあるという。病気そのものを予防するのではないが、感情の起伏を抑え、穏やかに過ごす助けをしてくれるとのことだ。このように香りにはいい効果があることが多いのだが、王道の香りといえばラベンダーが挙げられる。この香りの効果にはリラックスや安眠、虫よけなど多くあり、商品もたくさん出回っている。私も使用している化粧品のひとつにラベンダーの香りがするものがあり、夜に使うと「今日も1日がんばったな」とほっとすることができる。毎日仕事や家事で忙しかったり、気持ちの浮き沈みがある方も多いだろう。今日はせかせかしてしまったな、ナーバスになっているな、少しゆっくりしたいなと思った時には香りの力でリフレッシュして新しい1日に備えるのはいかがだろうか。