「給料をもらって働く人」と「働いて給料をもらう人」は、一見すると似たような言葉だが、意味はまったく異なる。これは松井証券の元社長・松井氏の言葉である。前者は「会社に属しているだけの個」、後者は「主体性をもった個」を指す。この違いを「業務」と「仕事」に置き換えて考えてみるとわかりやすい。「業務」は会社から与えられた受動的なもの、「仕事」は自ら考え、能動的に動き、付加価値を生み出すものだと言える。「給料をもらって働く」という意識でいると、「これだけの給料をもらっているのだから、多くの業務をこなさなければならない」「これしか給料をもらっていないのに、なぜこんなに業務が多いのか」といった、視野の狭い考え方に陥りやすくなる。その結果、行動が「業務」にとどまり、「仕事」にはなりにくい。一方で、「働いて給料をもらう」という意識に変わると、自らの行動に目的意識が生まれ、達成感や責任感を伴う「仕事」が増えていく。これは個人の成長にもつながる良い循環である。せっかく主体的に取り組める環境があるのだから、皆にも「仕事」を楽しみながら挑戦していってもらいたい。