バセドウ病という病気を耳にしたことはあっても、詳しい症状まで知る人は少ないだろう。この病気は20〜40代の女性に多く、甲状腺ホルモンの過剰分泌により、異常な疲労感や体重減少を引き起こす。そしてもう一つの特徴が「眼球突出」だ。瞼が腫れて眼球が前に出るため、顔つきが変わり、特に女性は深刻に悩むケースも多い。私の母も5年ほど前からこの病を患い、現在も投薬治療を続けているが、発覚までに半年以上かかった。疲れや体重減少を「加齢のせい」と思い込み、異常に気づいたのは眼球突出が進んでからだった。初めは眼科や皮膚科を回っても原因がわからず、時間ばかり過ぎていった。ある日、風邪でかかった町医者に何気なく相談したところ、内科医の主治医がすぐにバセドウ病を見抜き、大病院を紹介してくれたことでようやく治療に至った。このように、自分の判断による「思い込み」は発見を遅らせる要因となる。仕事でも「こういうものだ」という先入観がミスを招き、重大な問題につながることがある。私自身も思い込みでヒヤリとした経験が多いが、それを防ぐ最善の方法は「自分だけで判断せず、必ず誰かに相談する」ことだ。どんな時も一度は自分の判断を疑ってみる――それが、思い込みを防ぐ第一歩だと感じている。