「トリプルシンキング」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、ロジカルシンキング(論理的思考)、クリティカルシンキング(批判的思考)、ラテラルシンキング(水平思考)の3つを指し、組織や個人にさまざまな効果をもたらす考え方である。まず、ロジカルシンキングについて。トヨタ自動車では、「なぜなぜ分析(5Whys)」というロジカルな問題追求手法を実践していることは有名だ。1つの問題に対して「なぜ?」を5回以上繰り返すことで、根本原因を突き止め、課題を構造化・明確化することができる。次に、クリティカルシンキング。Apple社はiPhone開発において、当時常識だった「キーボード付き携帯電話」を批判的に見直し、タッチパネルを採用した。常識を疑い、ゼロベースで考える姿勢を指し、Appleはこれにより革新を起こし、新たなスマートフォン市場を創出した。そして、ラテラルシンキング。ダイソン社は「掃除機には紙パックが必要」という常識にとらわれず、サイクロン式掃除機を開発した。常識や直線的な思考から離れ、斬新なアイデアを生み出す力である。このように、私たちが問題解決や新規事業に取り組む際には、効率的に解決する(ロジカル)、ゼロベースで考える(クリティカル)、新しい発想を生み出す(ラテラル)という3つの視点を組み合わせることで、大きなシナジーが生まれる。日々の業務においても、これら3つの思考法を意識してみてはどうだろうか。