プロ野球セ・リーグの阪神が、2位以下のチームに大差をつけて首位を独走している。監督の藤川球児氏は「凡事徹底」を大切にしている。凡事徹底とは、当たり前のことを徹底するという意味である。つまり高校野球のように、バントで確実に進塁し、スクイズで確実に得点を重ねるといった姿勢を言っている。先日も、ある選手がシングルヒットで止まればよかったところを欲張って二塁を狙い、結果アウトになった。翌日から二軍に降格となった。結論は「スタンドプレーをするな、凡事を徹底せよ」ということである。この「凡事徹底」を最初に唱えたのは松下幸之助氏である。松下氏は取引先を訪問した際、経営がうまくいっているかどうかを瞬時に見抜いたという。その理由は極めてシンプルで、第一に従業員の「あいさつ」、第二に職場の「整理・整頓」、第三に「掃除」であった。つまり、当たり前のことが当たり前にできているかどうかで、経営の健全さが分かるというのである。当社においても、これらは日常的に実践されている。しかし、もう一歩深く考え、誰に見られていようといまいと愚直に徹底することが、一流の人財への道であり、周囲から必要とされる存在になるということであろう。