情報処理系の学校を卒業し、開発業務に携わりたいという思いで入社した会社では、2週間の研修が始まった直後に、すでに先行入社していた同僚から「あなたは運用課に配属されることが決まっている」と告げられ、大きくモチベーションが下がってしまった。そのまま予定通り運用課へ配属され、シフト制で夜勤を含む勤務が始まった。主な業務は、運用管理室での監視作業と事務室での電話対応であったが、事務室での空き時間を活用し、監視ツールを自作するなど工夫しながら業務に取り組んでいた。当時はそれが嬉しく、周囲に得意げに話していたことを覚えている。ある日、家の電話が何度も鳴っていたため出てみると、私が作成したツールを夜勤担当者が無断で実行し、パスワードロックがかかってしまったという連絡だった。すぐに対応できず、一時的にシステムを止める事態となり、始末書を提出することになった。これをきっかけに、ツールが無断で実行されないよう対策を施したうえで、注意しながら監視ツールを追加で作成・提供した。その取り組みが評価されたのか、一時期は「スーパーオペレーター」と呼ばれることもあり、感謝されたことは今では良い思い出である。この経験から、皆も自作ツールや仕組みを共有する際には、利用方法や想定範囲を明確にし、十分注意して扱ってほしい。