先日、子どもと一緒に「キッズフリマ」というイベントに参加した。キッズフリマとは、販売者も購入者もすべて子ども自身が担うフリーマーケットであり、大人は一切介入できない仕組みになっている。私の子どもは普段から明るく、見知らぬ子にも自分から声をかけて遊びに誘うようなタイプだったため、このイベントでも楽しく買い物ができるだろうと、私は軽く考えていた。ところが、実際にはまったく異なる結果となった。入場してしばらくすると、不安そうな表情を見せはじめ、終了時間を待たずに会場から出てきて、ついには泣き出してしまった。その姿を見て勝手に「できるはず」と思い込んで、事前に丁寧な説明や準備をしなかったことを深く後悔した。よく考えてみれば、普段の買い物はセルフレジやキャッシュレス決済が中心であり、店員さんとの現金のやり取りを目にする機会がほとんどなかった。さらに、フリーマーケットという形式も初体験で「どう声をかければよいか」「何を基準に選ぶのか」など、基本的なことすら教えていなかったことに気づかされた。自分にとって当たり前に思える行動や知識も、相手にとってはまったく未知のものかもしれない。今回の経験を通じて、子どもと認識を合わせ、段階を踏んで説明をしていなかったことを反省した。仕事においても、誰かに何かをお願いする際には、まず相手としっかりコミュニケーションをとり、その人がどれくらいの知識や経験を有しているのかを正しく把握する必要がある。そして、そのレベルに応じた説明やサポートを行うことが求められる。依頼する側としては、相手とよく対話し、寄り添う姿勢を忘れずに支援していきたい。