何気なくSNSを眺めていたとき、企業向けの啓発動画が目に留まった。20分ほどの動画であったが内容が興味深く、最後まで視聴した。タイトルは「コミュニケーションで大切なこと」である。その中で特に印象に残ったのが「観察力」と「洞察力」の重要性であった。たとえば、家族がいつもより元気がないと感じたとき、その変化に気づくのが観察力である。一方、その様子から背景や理由を考え「何があったのだろう」と思いを巡らせるのが洞察力である。観察力とは目に見える事実を捉える力であり、洞察力とはその事実に意味を与え、本質を考える力だと整理できる。この考え方は仕事にも当てはまる。私の業務でもある監査では、チェックリストに基づき事実を確認する。これは観察力が求められる作業である。しかし、そこに洞察力が加わることで、回答の背景や将来的な課題に目を向けることができ、より本質的な改善へとつなげることが可能となる。観察力と洞察力は、人を理解しようとする姿勢から生まれるものである。そしてそれこそが、「人と人とのコミュニケーションをとり、社会に貢献する」という社訓を実践するための基盤なのだと感じている。