「全ての言葉には、その言葉が生まれた理由がある。誰かが誰かに何かを伝えたくて、必要に迫られて生まれてきた」これは先日終了したドラマ「舟を編む」の一節である。辞書編纂を題材としたこの作品は、言葉の重みや使い方の大切さを描いていた。私たちは日々、言葉によって相手を傷つけたり、自分が傷ついたりすることがある。意図が正しく伝わらないことも少なくない。劇中では「言葉自体が悪いのではなく、選び方と使い方が大切」と語られていた。確かに語彙が豊かであれば、相手に分かりやすく、しかも傷つけずに伝えられる。だが語彙が乏しいと「あれ」「それ」と曖昧に済ませてしまいがちである。そこで語彙力を高める方法を調べた。1つ目は新聞や本を音読すること。朝と夜に1分ずつ続けるだけで語彙が増えるという。2つ目は口癖を言い換えること。「かわいい」「やばい」といった言葉を別表現に置き換え、理由を三つ挙げると表現力が広がるそうだ。3つ目は回文遊びで、言葉の感覚を磨くこと。最後に日本語字幕付きで映画やドラマを観ること。耳と目の両方で言葉に触れると語彙が増えるそうだ。語彙を少しずつ増やし、選んで使う意識を持てば、思いを正確に伝えられ、無用に傷つけ合うことも減るだろう。言葉は人をつなぐ架け橋だからこそ、その力を磨いていきたい。