私は高校を卒業してすぐに社会人となり、約10年間、事務職として働いてきた。社会人になりたての頃は、慣れない業務をこなすだけでも大変であったうえ、人見知りで内向的な性格もあり、周囲に助けられることが多かった。また「この人の方が外交的だ」「この人の方がしっかりしている」と他人と自分を比較しては、自信をなくし、落ち込む日々が続いた。そんな時、ある人に「その人はその人、自分は自分でいいのではないか」と言われた。その言葉をきっかけに、マイナスな感情にとらわれるのではなく「自分がどうなりたいか」という目標を持つことの大切さに気づいた。それ以来、私は「人見知りせず、外交的で、自分に自信をもち、誰かを後押しできるような人になりたい」と考え、すぐにそうなれなくても、そうありたいと心がけて過ごすようになった。すると、少しずつ気持ちが楽になり、前向きに日々を過ごせるようになった。人と比較することが必要な場面もあるとは思うが、それ以上に、自分を受け入れ、自分に合った目標を立てることが大切だと感じている。10年前の自分を振り返り、改めて自分自身と向き合うことができた。今でも人前で話すことは苦手だが、10年後の私は、今より少しでもそれを克服できていたらと思う。