私は進捗管理の支援や、VBAを用いた効率化ツールの作成に携わっているが、社会人2〜3年目でこの案件に参画した当初は、Excelの関数すら十分に理解していなかった。当時の私に任されていた大きな仕事は、週次会議の資料を印刷することである。毎週の会議開始までに資料を取りまとめ、必要部数を揃える。誰にでもできる業務ではあるが、直前の資料差し替えや出席人数の把握などを行い、無駄なく準備することが求められていた。私自身、仕事を任せてもらえているという実感から、やりがいを持って取り組んでいた。翌年、IT未経験の新卒社員が配属され、この業務を引き継ぐことになった。ところがある日、その社員が泣きながら上司に「私は資料の印刷ではなく、もっとレベルの高い仕事がしたい」と訴えている姿を見かけた。結果的に担当は私に戻ったが、当時の私は率直に「まだ一人でできることも限られている中で、なぜそのように言えるのだろう」と感じていた。その後、私はこの資料準備の業務を通じてリーダ層とコミュニケーションを取る機会が増え、それをきっかけにさまざまな業務へ挑戦する機会を得ることができた。向き合うべきものはあくまで「仕事」であり、「合わない」「嫌だ」という理由だけで手を止めることは許されない。仕事において最も重要なのは「この人なら安心して任せられる」と思ってもらえる信頼である。目の前の仕事を責任を持って全うできる人にこそ、次のチャンスは巡ってくる。自ら可能性を狭めるのではなく、自分の幅を広げる意識で、まずは目の前の仕事に真摯に取り組んでほしい。その積み重ねが、やがて想像以上の成長へと繋がっていくはずである。