最近、テレビを見て心に残った言葉が2つある。1つ目は、「今、あなたの上に現れている能力は氷山の一角、真の能力は水中深く深く隠されている」という言葉だ。9月の最終週から始まった朝の連続テレビ小説「ブラッサム」のモデルとなっている宇野千代さんの言葉である。宇野千代さんは、明治30年から平成8年まで、98歳で亡くなるまで波乱万丈な生涯を送った方だ。恋多き女性としても知られ、小説家、着物デザイナー、実業家など、多彩な才能を発揮した。常に前向きで、どんなことがあってもへこたれず、次に向かって進んでいくバイタリティあふれる方である。その生涯とこの言葉を併せて考えると、自分もまだまだこれから何かできるかもしれないと思えてくる。とても勇気が湧いてくる言葉だ。2つ目は、「秀でた人は人並み外れた仕事へのこだわりを持っている」という言葉だ。「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられていた、警視庁捜査支援分析センターに勤める三浦達也さんという警部補の方が、「プロフェッショナルとは何か」という問いに対して語った言葉である。捜査支援分析センターは、防犯カメラに映った映像などを解析することを専門とする部署だ。三浦達也さんは、特に自転車の分析を得意としており、自転車のモンタージュを作成して捜査に役立てている。容疑者を割り出す特定率は6割を超えているそうだ。今では、自転車の分析が犯人特定の切り札となっているが、そこに至るまでには、三浦達也さんの並々ならぬ努力と忍耐があった。20年ほど前から、捜査には分析が大切だと一生懸命に訴え続けてきたものの、当初は誰にも相手にされず、かえって煙たがられてしまっていたそうだ。それでも自分を信じ、人知れず十数年にわたって努力を重ねてきたからこそ、分析によって容疑者を割り出し、犯人逮捕につなげるという新たな分野を切り開くことができたのだ。三浦達也さんは、こんなことも語っていた。「自分は何をやってもダメだと思ってしまう人がいるかもしれないけれど、決してそうではない。ほんの何か一つ、自分に向いていたことがうまくいったから、今がある。だから、あきらめないでほしい。すべての人にチャンスはあるし、何かきっとある。」この2つの言葉は、宇野千代さんと三浦達也さん、それぞれが人生をかけて歩んできたからこそ生まれた言葉なのだと思う。だからこそ、力強く、人に勇気を与えてくれるのだろう。自分の可能性を信じて挑戦し続けること、そして、一つのことにこだわり、努力を重ねること。その大切さを、改めて感じさせてくれる2つの言葉であった。