私がこれまで訪れた中で、特に印象深く素敵だと感じた場所は、長野県東部の南佐久郡南牧村にある八ヶ岳東麓の裾野に広がる野辺山高原である。観光地としては、日本で最も標高の高い駅であるJR野辺山駅や、国立天文台 野辺山宇宙電波観測所がある。この観測所は、現在公開中の劇場版『名探偵コナン』の舞台にもなっており「電波天文学の聖地」とも称される。特に、口径約45メートルの巨大なパラボラアンテナがあり、ミリ波と呼ばれる電磁波を用いて宇宙を観測しており、世界で初めてブラックホールの存在が確認された観測所としても知られている。野辺山にこの観測所が建設された理由としては、標高が高く水蒸気量が少ないこと、山々に囲まれた平地であること、寒冷地でありながらも降雪が少ないことなど、電波観測に適した気象条件が挙げられる。こうした環境ゆえに、夜空の美しさも大きな魅力のひとつである。空を見上げれば星が空一面に広がり、天の川も濃く見え、流星群の時期でなくとも流れ星をいくつも見ることができる。さらに、周辺には緑豊かな自然、温泉や牧場、野生動物なども点在しており、夏でも涼しい気候のため、これからの暑い季節にはリフレッシュに最適な場所であろう。東京からも車で約2時間程とアクセスも良好なため、ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。