子供の頃、私は毎年サンタクロースからプレゼントがもらえるクリスマスを楽しみにしていた。小学校三年生までは本当にサンタがいると信じており、朝起きると枕元には自分が欲しかったプレゼントが置いてあって、そのたびに大きな喜びを感じていた。しかし、四年生のクリスマスの夜、忘れられない出来事が起こった。父親が酒に酔って帰宅し、眠っている私の布団に勢いよく飛び込み、そのまま起こされてプレゼントを手渡されたのである。その瞬間、私のサンタクロースの正体が父であったことが確定し、言いようのない悲しさに包まれた。その当時は、酒に酔って子供の夢を壊した父を責める気持ちしかなかったが、時間が経つにつれ、毎年欠かさず子供のためにプレゼントを用意してくれていたことへの感謝の思いが芽生えていった。そんな父も今では七十代となり、昨年からは立場が逆転し、私がプレゼントを贈るようになった。本日はクリスマスである。皆もそれぞれに、素敵な時間を過ごしていただけたら幸いだ。