先日、IT業界・SE関連のトピックで、とある記事が話題になっていた。それは、ソロアイドル・宮本佳林さんが書いた『コードが書けないアイドルが、AIと一緒に10時間配信のシステムを全部作った話。』というタイトルのブログだった。私はもともと彼女が所属していたアイドルグループのファンで、彼女のアイドルとしての姿しか知らなかったので、意外なところで彼女のブログが拡散されていて驚いた。記事を要約すると、自分が企画したライブ配信を実現するために、その配信システムをコードが書けない状態から、AIの助けを借りながら一から構築していく過程をまとめたものだ。実際に内容を読んでみると、システムの構造の部分から細かく解説された、かなり地に足のついた内容だった。まず、自分の作りたいものを徹底的に言語化し、(配信がストップしないこと、SNSのハッシュタグ投稿数と連動させることなど)優先順位をつけ、それを実現するために細かくAIに指示していく。記事を読んだ本職のSEからは、「これは要件定義と同じことをやっている」といったコメントも寄せられていた。そして、配信が動くための仕組みや、止めないための仕組みを複数の媒体を利用しながら構築し、試行を繰り返す。問題点があればAIに訊きながら、一つずつ解決していく。驚くべきは、その配信システムをたった10日間で完成させたということだ。このブログを読んで感じたのは、AIはあくまで補助具であり、結局は、目標に狙いを定めて優先順位を決め、目的を果たせる人が一番強いということだ。そして、それは時代に関係なく、技術が発達する前からそうであったように思う。IT業界では、度々「AIに仕事を奪われる」といった言説を目にするが、最終的には、技術力だけではなく、強い目的意識を持ち、実行力のある人が生き残るのだと思う。