最近は気温が下がり、寒さを感じる日が続いている。我が家では先週から薪ストーブに火を入れ始めた。元々私は薪ストーブに強い興味はなかったが、家族の希望で設置したところ、今では私が一番気に入ってしまっている。薪ストーブが人気を集めている理由のひとつは、炎の美しさだと思う。かつてのストーブは、小さな雲母製ののぞき窓しかなく、炎を見ることはほとんどできなかった。しかし、近年は結晶化ガラスの技術が進歩し、燃焼室の中で揺らめく炎をはっきりと眺められるようになったことが、現在の薪ストーブ人気につながっているのではないだろうか。我が家では点火から燃焼管理まで、薪ストーブの操作は主に私の担当である。炎が安定するまでの間、ただぼんやりと薪が燃える様子を眺めていることがある。炎を眺めていると、自分の時間の流れだけが緩やかになり、心が落ち着いていくのを感じる。薪を追加して燃焼が安定するのを待つつもりが、気づけば薪が燃え尽きる寸前まで見続けてしまったこともある。それほど、炎には強いリラックス効果があると実感している。とはいえ、実際に薪ストーブを設置するとなると、ハードルは高い。そんな人におすすめしたいのが、NHKで時折再放送されている「魂のタキ火 特別編 癒しの炎」という番組だ。30分または60分、ただひたすら炎がゆらめき続ける映像が流れるだけの番組だが、意外にも本物の薪ストーブの火を眺めているときと同じようなリラックス感が得られた。炎を見つめるだけで心が落ち着く体験は、想像以上に心地よいものである。機会があれば、ぜひ皆にも試してもらいたい。
- 2025/11/25